Bandai Namco Pictures スタッフブログ

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【後編】『クラシカロイド』の楽曲が『ガーディアンズ・オブ・ ギャラクシー:VOLUME 3』に登場します!

クラシカロイドの楽曲がガーディアンズ・オブ・ ギャラクシー:VOLUME 3』に登場するということで、音楽プロデューサーの黒田学さんと、プロデューサーの生地俊祐さんの対談、後編です!
前編はこちらから▼
bnpictures.hatenablog.com

使用話数のはなし&『小犬のカーニバル』の発注思い出話

生地
この曲は第2シリーズ4話『フィーバー!レッツぷーぎー!』で使われていて、コビトカバのドボちゃんとショパンの話……という説明してても読者に全く伝わる気がしないんですけど…

黒田
見なきゃわかんない。(笑)

…ということで!
5月2日(火)19時から第2シリーズ第4話『フィーバー!レッツぷーぎー!』ライブ配信決定!!
5月16日(火)18:59まで2週間、無料でアーカイブ配信もご覧いただけます。
youtu.be

生地
あの楽曲発注のときに覚えていらっしゃることはありますか?

黒田
いまちょうど当時の資料があったので共有しますね。
第2シリーズの頭のタイミングの発注メモのようで、英雄ポロネーズ」「雨だれ」「小犬のワルツ」の3曲同時に発注していました。

エピソードからピックアップして、どういう風なシーンで使われるかというのを抜粋しています。
あとはその曲に対するイメージを、生地さんから監督に1回ヒアリングしてもらって、それを元に僕と生地さんでミーティングして発注メモにしています。

生地
「原曲のここら辺を使ってほしいみたい」とかもお伝えしているのですが。
――ショパンは曲が短いから指定なしだ。(笑)

黒田
他の曲では、曲の引用箇所が具体的に指定されている場合もありましたね。
「小犬のワルツ」については、後半テンポが上がっていく感じとか、二段階の構成っていうのはこの時点で発注しています。

生地
「どんどん早くなるけど、ボカロだから歌えないことはないので、むしろボカロらしさを活かすためにやってみよう」みたいなことは話した記憶がありますね。まあそれをおいおいイベントでそのまま歌ってもらうという暴挙に出るんですけど(笑) ごめんよ、『アイカツ!』チーム。

黒田
そうだ、これはコーダの最後の方に展開していく部分が、絵コンテベースだと結構長かったんですよね。概算で62.5秒あって。(笑)
コーダは最後に締めるところだから、数十秒とか十数秒っていうのが普通だと思うんですけど、これは1分を超えているので、これが難しいかもしれませんという書き方をしていますね。


発注メモより

生地
こんな感じで発注したので、「いぬいぬ」の歌詞とともに上がってきた。しかもボカロもたくさん使われていると思うんですよ。

黒田
そうそう。いつもEHAMICさんはギャラ子*1を使っているんですけど、それだけではなくて他の声もほしいということで、複数のボカロの声でやってもらっています。

生地
さらにEHAMIC家のワンちゃんのも声も…

黒田
そうだ!録音してサンプリングされているみたいですね。

生地
途中で「ワンワン」と結構入ってて、今回の映画での使用でEHAMIC家のワンちゃんも世界デビュー!めでたい!

黒田
確かに全世界デビューするかもしれない。

生地
ということでね、しかし、こんな面白い曲を選んでしまうところが、

黒田
向こうも懐が深いね。(笑)

生地
監督自ら選ばれたのか分かりませんが、どう使われるのか分からないので、僕らも楽しみに待っていようかなと。改めておうちのブルーレイで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1と2を見直さなきゃなと思っている今日この頃です。

ガーディアンズ・オブ・ ギャラクシー:VOLUME 3』への使用について

生地
改めて、なぜあの「いぬいぬ」*2を選んでしまったんでしょうね?

黒田
僕もそのシーンについて、あんまり詳しく書かれていなかったんで、「コミカルな使い方をされるんだろうな」という想像しかないんですけど。まして歌詞は日本語だし、「いぬいぬいぬいぬ」とずっと言ってるだけなので、どういう風にピックアップされるのかちょっと楽しみですね。楽しみというか、どこをどう使われているか、まだわかんないんで(笑)
例えばどういうシーンで使われているとか、みんなで声を掛け合えたら面白いですよね。それに対する感想だったりとか。
こういう引用のされ方ってこと自体が、日本のアニメの音楽にスポットが当たるチャンスだと考えているので。

生地
本当に珍しい例ですよね。

黒田
珍しいですね。
元々の作品からオマージュはあると思うんですけど、『クラシカロイド』から切り離したところで音楽に焦点を当ててもらえるのは、すごくいい機会だなと思っています。ガーディアンズ・オブ・ ギャラクシー:VOLUME 3』はクラシックの関係ない作品ではあるんですけど、SNSなどでファンの間でつぶやいていただければ、また別の『クラシカ』の曲がピックアップされたりとか!(笑)

生地
夢がある(笑)

黒田
すべてクラシックをモチーフにしているので、全部チャンスあると思うんですよね。例えば布袋さんのギターのインストバージョンは、日本のいろんな情報番組とかで使われていると思うんですけど。

生地
すごい使われてますよね。バラエティとか特に。

黒田
「田園」とかはよく聞きますよ。

(こちらはインストバージョンです)

生地
先日もファンがSNSで教えてくれました!

黒田
そういう使われ方、それこそ歌詞関係なく聞けるバージョンもあって、全世界で色々使われることも期待したいと思うので、ぜひみなさんも“ざわざわ”してほしいです。

生地
今回は音楽という、『クラシカ』の一個の大事な部分が世界に行くと。
僕らは、いま黒田さんが言った通りで、「もともと全世界のみんなが知ってる曲だからこそ、海を越えやすいんじゃないか?」みたいな思いを込めてこの作品・音楽を作っていたので、ひとつの不思議な帰結点ではあるものの、でも確かに「こういうことなんだ」という一例になったのが本当に嬉しいなと思っています。
EHAMICさんはじめ素晴らしい音楽が、こういうことを生んでくれたと思います。

ぜひともEHAMICさんの曲ももちろんですが、布袋さんやつんく♂さんたち、みなさんが素敵な曲を作ってくださっているので、改めてそこにスポットが当たりつつ、僕はどうしてもアニメ側の人間なんで、アニメ作品も見てほしいというところで、何かのきっかけになってくれると嬉しいです。

黒田
そういえばめちゃめちゃ余談なんですけど、お正月につんく♂さんからメールを頂いて。クラシカの話になって、「ヒリヒリする日々がなんかすごく懐かしいですね」なんて書いてあって。

生地
ほんとヒリヒリさせてすみません~~!!
ラクラのオーディションの時だったか、僕もつんく♂さん自ら、「大喜利なんで、考えるの大変なんで早く次のお題ください」って言われたことがありまして、本当にすみませんでした。(笑)

黒田
そういうメールを見て「あ~確かにそうだった」と思って。8年前。

生地
でも本当に関わった皆さんが面白がって作っていただけたのは良かったですよね。

黒田
今回の現象というのも、僕らが悪ノリも含めて楽しんでたのが、全世界に伝わったみたいな、そういうことかもしれないですね。

生地
なので今後とも闇鍋アニメ『クラシカロイド』をよろしくお願いいたします。
作品も音楽も!

黒田
第3シリーズ、待っている人いっぱいいますから!

生地
そうなんですよね、いまだにみんなに言われるんですね~
ハハハハハハ、と笑って誤魔化して締めておきましょうか!(笑)

お知らせ

5月3日『クラシカロイド』楽曲が遂に世界デビュー⁉
それを記念して急遽5月2日(火)19時から第2シリーズ第4話『フィーバー!レッツぷーぎー!』ライブ配信決定!!
5月16日(火)18:59まで2週間、無料でアーカイブ配信もご覧いただけます。
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クラシカロイド」の音楽 “ムジーク”

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*2:「小犬のカーニバル~小犬のワルツより~」の歌詞をご参照ください。