バンダイナムコピクチャーズのオリジナル作品「BIRDIE WING」がいよいよ4月より放映開始です！後編のインタビューをお届けいたします。
▼前編はこちら
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システムを開発したNさんは現在制作中のバンダイナムコピクチャーズ作品内のCGパートの縁の下のバックアップを担当しています。「BIRDIE WING」ではCGプロデューサーを務めています。
Nさん「芝生のモデリングなども作ったりとかもしてました。1本、1本植えたんですよ2日間かけて……。」※質感調整前です
インタビュー
Q：「Wing Camera」のコンセプトをお願いします
A：これまでのCG制作とは違い、あくまで原画さんの為のCGというコンセプトを元に作られた3DCGプラグインです。「BIRDIE WING」の制作では、ゴルフスイングの作画が難しい課題でした。その為、作画さんをフォローする為の作画ガイドとしてWing Cameraのプラグイン作成をしました。
左側が今回制作されたプラグイン
3Dソフト（MAYA）を触ったことがなくても、専用UI（ユーザーインターフェイス）から簡単操作で3DCGのカメラをつけることができますので、監督や演出さんが自ら望むカメラをつける事ができるようになっています。設定したカメラ情報は、そのまま作画用紙に印刷できる様にしてありますので、制作さんが印刷をして原画さんに渡す事ができます。
Q：開発で苦労した点などは？
A：以下の４つでした。
- Maya上では何手順もある操作をボタン１つ押すだけで行う事ができるようにした点。
監督ご自身にカメラをつけて頂きながら、Ver2.11までバージョンアップしていきました。監督から希望を直接伺いながらバージョンアップできたことで、監督の求める微妙なカメラアングルに対応していく事ができましたが、やはり使う方の要望にお応えしていくのは大変でした。私も作りながらとても勉強になりました。
- 直感的に分かるUIを作った点。
Wing Cameraはキャラクターを16方向からカメラ設定する事が可能です。操作は簡単に見えますが、その裏側の設定自体はかなり複雑です。自動化する為のスクリプト（プログラム）は、数千行も書かれています。
- カメラのアニメーションにも対応した点。
画角、ロール、カメラ本体の移動値、注視点など、必要な要素はすべてアニメーション設定可能になっています。カメラが動きながらスイングするカットの制作には、これまではCGデザイナーさんが必須な制作プロセスでしたが、Wing Cameraを使う事で制作可能になっています。今回はあまり使いませんでしたが、フライングカメラにも対応していますのでカメラ自体がもっと動くようなシーンにも対応しています。今後の作品において活用できればいいなと思っています。
- レンダリング速度にこだわった点。
監督の時間はとても貴重ですので、カメラを設定したらすぐに結果を確認できるようにしてあります。すぐに結果を得られるようにする為に色々と工夫しています。レンダリングの待ち時間ほぼ0です。何度でも簡単に設定して確認する事ができます。
Q：NさんはCG以外にもいろいろと活躍されているとのことですが…
A：2016年頃からVR映像を作っていました。
最初はエンタメ用のVRを作っていたのですが、教育用に作った方が本来のVRの良さが活かせると思いましたので最近は職業訓練用の特殊なVRを制作しています。
美容師向けのVR教材より
これは、XR（AR・VR・MRの総称）の中では、MR（Mixed reality）という位置づけでゴーグルを装着しても周りが見える安全なVR映像を作っています。
まだまだXRはアニメ転用できる部分がありますので今後もっとアニメ転用していきたいと思っています。
Q：最後に「BIRDIE WING」の見どころを教えてください。
A：監督がこだわりぬいたゴルフスイングカットを見て頂きたいですね！
Wing Cameraで付けた作画ガイドは結構淡泊なんですが、それを作画さんが魔法をかけてくれて素敵な映像になっています。作画さんはやっぱりすごいな！と思いました。
私は3DCG大好きですが、作画はもっと好きなんです。手描きができないから3DCGの道にいった感じですのでリスペクトしています。
ぜひ裏方のCGを想像しながら、作画の良さをご体験いただければと思います。ありがとうございました。
BIRDIE WING -Golf Girls' Story-
世界初、女子ゴルフをテーマとしたオリジナルアニメシリーズ、開幕！
テレビ放送のほか、各種配信サービスでもご視聴いただけます。お楽しみに！
birdie-wing.net
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